2021.5.10 2021.7.16

弁護士特約とは?交通事故示談を有利に進めるために利用すべき理由

交通事故の被害にあうと、ケガの治療だけでなく、相手方の保険会社との交渉も進めなければならず大変なものです。

特に追突事故(もらい事故)の場合は、ご自身の保険会社は示談交渉を代行してくれないため注意が必要です。

そのため、相手方の提示された示談金に納得できないという悩みや不満を抱くことも少なくありません。

納得のいく慰謝料を相手に請求するためには、交通事故事案に詳しい弁護士に示談交渉依頼をするとよいでしょう。

しかし弁護士に依頼するには「費用がいくらかかるのかわからない」「ちゃんと話を聞いてもらえるのか心配」と感じることもあるでしょう。

そんな時はご自身が加入している自動車保険の「弁護士特約」(弁護士費用特約)を利用すれば、費用負担は心配ないといえます。

弁護士特約を利用するデメリットは特になく、仕組みを正しく理解すれば安心して利用ができるのです。

示談交渉を有利に進めるために、弁護士特約をどのように活用すべきかを詳しく解説します。

※この記事では「加害者=過失の割合が大きい交通事故の当事者」「被害者=過失の割合が小さい交通事故の被害者」としています。

この記事の監修者
長 裕康
イージス法律事務所 代表弁護士
長 裕康HIROYASU OSA
所属団体
第二東京弁護士会、至誠会、開成法曹会
役職
日本弁護士連合会若手法曹センター幹事
日本司法支援センター(四谷、新宿、池袋、立川、八王子)相談員
原子力損害賠償支援機構から相談業務専門家(弁護士)に任命

弁護士特約とは?交通事故にあったらどう使えばいいの?

交通事故にあったときは、ご自身やご家族が加入している保険に「弁護士特約」が付いていることを確認してみましょう。

弁護士特約(弁護士費用特約)とは、任意保険(自動車保険)に付いているオプションの1つです。

弁護士特約とは

弁護士特約は弁護士費用を保険会社が補償(代わりに負担)してくれる仕組みであり、交通事故にあった時にも利用できます。

多くの保険会社では、弁護士特約を使うことで弁護士費用を上限300万円程度までカバーしてくれます。

法律相談料についても10万円を上限として補償してくれる場合も多いので、気軽に弁護士に相談ができます。

多くの弁護士事務所では弁護士特約を利用することが可能なので、相談時にお金を用意しなくても交通事故に関する悩みに対応してもらえます。

弁護士特約を利用して弁護士に相談するメリットは

\ 弁護士に依頼するメリット /
  • 費用の負担なく弁護士に依頼ができる
  • 示談交渉のほとんどを任せられるので、相手方とのやりとりの負担が減る
  • 弁護士基準(裁判基準)が適用されるため、慰謝料が増える可能性がある

などの点があります。

スムーズに示談交渉を進めて、納得できる慰謝料を受け取るには弁護士のサポートが欠かせません。

ご自身の自動車保険に弁護士特約が付いているかは、手元にある保険証書で確認しましょう。

保険会社のカスタマーセンターや、Webのマイページなどでも確認できます。

〈おもな自動車保険会社のマイページ>

次は、弁護士特約を使うときのポイントを解説します。

弁護士特約を使うには保険会社へ連絡する

交通事故にあってしまい、ご自身の自動車保険に弁護士特約が付いているなら、できるだけ早い段階で保険会社に連絡しましょう。

利用手順としては、おもに以下のような流れになります。

  • 自動車保険に弁護士特約がついていることを確認
  • 保険会社に特約を使いたいことを伝える
  • 弁護士事務所を選び依頼する
  • 弁護士を通じて相手側の保険会社と示談交渉を行う
  • 自身の保険会社が弁護士費用を負担する

費用の支払いについてのやりとりは、示談交渉が済んだ後に保険会社と弁護士事務所で行うことになります。

一般的には「LAC(ラック)基準」と呼ばれる報酬基準に従って、保険会社から弁護士事務所に支払いが行われます。

「LAC(ラック)基準とは」
保険会社と日弁連(日本弁護士連合会)の間で決めている弁護士の報酬基準です。
日弁連リーガル・アクセス・センター(LAC)が定めた基準なので、LAC基準といいます。LAC報酬基準とも呼ばれます。

弁護士特約(弁護士費用特約)を利用することで、依頼者は特に難しい手続きはせずに、弁護士のサポートが受けられます。

ただし次のような場合は弁護士特約は一般的に利用できないので注意が必要です。

  • 依頼者の故意・重過失(無免許運転・酒気帯び運転など)がある
  • 自然災害による事故の場合
  • 加害者で相手方から賠償金を請求されている など

あらかじめ保険内容を確認したり保険会社に直接確認をして、利用条件に当てはまっているかを確かめましょう。

火災保険の弁護士特約も交通事故案件で使える

交通事故の被害の場合には「自動車保険」の弁護士特約(弁護士費用特約)しか利用できないと考えてしまうのではないでしょうか。

しかし、自動車保険以外の保険でも、弁護士特約が付いているなら交通事故の際に利用できることが多いのです。

〈弁護士特約が付いている保険の例

  • 火災保険
  • 家財保険
  • 医療保険
  • 自転車保険
  • 個人賠償責任保険 など

※弁護士費用の補償は費用の上限が異なったり支払いの条件がある場合があります。

加入している自動車保険に弁護士特約が付いていないからといって、諦めないようにしましょう

自動車保険以外に加入している保険がある場合は、保険証書の内容をチェックして弁護士特約がついていないか確認してみましょう。

自分で調べてもよくわからない場合は、保険会社に連絡をして確認することが大切です。

自動車事故で弁護士特約を使うメリット

交通事故事案で弁護士特約(弁護士費用特約)を利用するメリットは、多くあります。

  • 費用の負担なしで弁護士へ依頼できる
  • 示談交渉をおまかせできる
  • 慰謝料が増額する可能性がある

弁護士費用の負担を気にせずに済むだけでなく、示談交渉についても弁護士にほとんどを任せられるので時間的・心理的な負担を減らせます。

また、弁護士に依頼をすることで、弁護士基準(裁判基準)の慰謝料額で請求できるので、納得のいく慰謝料額を請求できる可能性があります。

弁護士特約を利用して弁護士へ依頼するメリットについて、詳しく見ていきましょう。

メリット1 費用の負担なしで弁護士へ依頼できる

弁護士事務所に依頼をする際にかかる費用は「相談料」のほかにも「着手金」や「報酬金」などさまざまな項目があります。

「着手金無料+成功報酬型」の料金体系をとっている弁護士事務所であれば、依頼時にお金を用意する必要がありません。

たとえば、弁護士法人イージス法律事務所の場合では以下の料金体系となっています。

費用の種類 費用の目安
相談料 原則無料
着手金 弁護士特約なしの場合:原則無料(訴訟の場合は有料の場合あり)
弁護士特約ありの場合:原則不要
保険会社が定めた基準額で上限額(一般的には300万まで)を超えない限り不要
報酬金 弁護士特約なしの場合:回収額の10%+15万円(税込=11%+16万5,000円)
弁護士特約ありの場合:原則不要
保険会社が定めた基準額で上限額(一般的には300万まで)を超えない限り不要
実費 依頼時に一定額を預け、事案の解決後に精算
後遺障害の申請(等級認定) 無料
認定されたら5万円(税込=5万5,000円)

事故状況によって最終的な弁護士費用は違ってきますが、総額300万円を超えることは基本的にないでしょう。

そのため、弁護士特約(弁護士費用特約)の範囲内でカバーでき、依頼者の負担は基本的にはありません。

もし弁護士費用が上限額を超えるとすれば、弁護士が入って賠償金が増額されるケースといえます。

「後遺障害の申請(等級認定)とは」
ケガの治療を継続しても完治せず、後遺症が残ってしまう場合があります。後遺障害の等級認定手続を行い、後遺障害と認定がされれば後遺障害の度合い(等級)によって後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益が請求できます。
「後遺障害逸失利益とは」
後遺障害の影響によって仕事ができず、将来得られたであろう収入に対する補償です。

メリット2 示談交渉をおまかせできる

交通事故の示談交渉では、過失割合を巡って相手側ともめてしまうことも珍しくありません。

「過失割合とは」
交通事故が起こった原因(過失)についてそれぞれでどのくらいの割合なのかを当事者間で決めるものです。

割合の基準は、過去に起こった同様の事故などをもとにしますが、話し合いによって決められるため、被害者にとって不利になるケースもあります。

いくら正しい主張をしても、相手方が認めてくれずに困ってしまうこともあるでしょう。

専門的な知識と交渉力を備えた弁護士なら、示談交渉を任せられるだけでなく、このような過失割合の交渉でも頼りになる存在といえます。

保険会社から提示された示談金に納得がいかないという場合にこそ、弁護士に依頼をするメリットが感じられるはずです。

メリット3 慰謝料が増額する可能性がある

交通事故の「慰謝料」とは、事故の精神的なダメージに対する補償です。

そのため、年齢や職業などによって金額に違いはありませんが、計算基準によって慰謝料額は異なります。

慰謝料を計算する基準は、

  • 自賠責保険基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準(裁判基準)

の3つがあります。

このうち最も金額が高いのは、弁護士基準(裁判基準)です。

慰謝料計算の基準

弁護士に依頼をした場合や、裁判で相手方と争う場合に適用される基準となっています。

また弁護士に依頼をすることで、慰謝料以外にもさまざまな項目の損害賠償を請求できる場合があります。

〈請求できる損害賠償の例〉

  • 休業損害
  • 逸失利益
  • 通院交通費 など

このように、交通事故の被害に対する適正な補償を受けるために、弁護士に依頼をするメリットは大きいのです。

弁護士特約を使うと翌年の保険料が高くなる?デメリットは?

交通事故で自動車保険を使うと「保険の等級が下がるのでは?」「翌年の保険料が上がるかも?」と心配になるのではないでしょうか。

しかし、弁護士特約(弁護士費用特約)を使った場合は「ノーカウント事故(事故としてカウントしない)」となり、翌年の等級や保険料に影響しません。

つまり、弁護士特約を利用することにデメリットはないといえ、安心して利用することができます。

万一弁護士に依頼をすることで「費用倒れ」となってしまう場合、弁護士法人イージス法律事務所ではご相談時にあらかじめお知らせします。

「費用倒れとは」
相手方の保険会社と示談交渉をしても示談金の増額があまり見込めず、弁護士費用のほうがかかってしまうことを「費用倒れ」といいます。費用倒れの有無は、依頼前に確認することが大切です。

家族の保険に弁護士特約が付いていれば使える

弁護士特約(弁護士費用特約)を利用するには、保険に加入している必要があります。

しかし、自分の自動車保険に弁護士特約が付いていなかったとしても、慌てることはありません。

家族が加入している保険に弁護士特約が付いていれば交通事故でも利用可能なので、自分の保険だけでなく家族の保険もチェックしてみましょう。

家族の範囲としては配偶者や同居している子、親などがあたります。

弁護士特約が利用できる範囲

どの範囲までを対象とするかは保険会社によって異なるので、きちんと事前に確認をしておくことが大切です。

弁護士特約が付いていない場合はどうすればいい?

加入している保険に弁護士特約(弁護士費用特約)が付いていなかったとしても、弁護士への依頼を諦めてしまうことはありません。

「着手金無料+成功報酬型」の料金体系をとっている弁護士事務所なら、受け取った示談金のなかから弁護士費用を差し引く形となるため、依頼時にお金を用意しておく必要はないです。

弁護士法人イージス法律事務所の場合、特約がないときの費用は以下のとおりです。

〈弁護士特約がないケース〉

着手金 無料
報酬金 回収額の10% + 15万円
(税込= 回収額の11%+16万5,000円)

着手金は無料となっており、依頼をする時点でお金がかかることはありません。

初回の法律相談も無料となっているので、費用面で気になるときには遠慮なくお問い合わせください。

弁護士特約が使えないケースもあるので注意

契約している保険に弁護士特約(弁護士費用特約)が付いていても、利用できないケースもあるので注意が必要です。

弁護士特約が利用できないケースとしては、

  • 被害者自身の過失が大きい事故(無免許運転・酒気帯び運転など)
  • 自然災害によって発生した事故
  • 自転車による事故
  • 事業用車両による事故(労災保険が優先されるため)

などが挙げられます。

また、少額の損害の事故や過失割合などで当事者どうしに争いがない事故の場合、保険会社が特約の利用を拒むこともあります。

保険会社から提示された示談金に納得できない場合は、安易に示談を成立させずにやり直すことも大切です。

後から悔やまないためにも、弁護士のサポートを受けて納得のいく補償を受けましょう。

【まとめ】交通事故の示談は弁護士特約を使うとメリットが多い

交通事故による被害に対して納得いく補償をしてもらうには、弁護士のサポートが重要です。

加入している自動車保険や火災保険などに、弁護士特約(弁護士費用特約)が付いている場合はぜひ活用しましょう。

自動車保険の「弁護士特約」(弁護士費用特約)を利用すれば、弁護士費用の負担は心配ないといえます。

家族が加入している保険でも適用対象となるケースがあるので、よく確認することが大切です。

また、特約が付いていない場合でも「着手金無料+成功報酬型」の料金体系をとっている弁護士事務所であれば、依頼時にお金を用意してなくても依頼を行えます。

弁護士法人イージス法律事務所では、ご相談いただいた方のヒアリングをていねいに行い、納得のいく補償が受けられるお手伝いをいたします。

交通事故による損害を正しく請求するだけでなく、ご相談者様が1日も早く安心できる生活を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

交通事故のご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
長 裕康
イージス法律事務所 代表弁護士
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