「個人再生をしたいけど退職金はどうなるの?」
退職金をまだ受け取られていない方は、個人再生をすると退職金の8分の1が財産扱いとなり、8分の7を受け取ることができます。
ですが、退職金を受け取った後に個人再生をすると全額が財産扱いとなるため、退職金額相当額を債権者に返済しなければならなくなる可能性があります。
そのため、退職金を受け取る前に個人再生をする方が退職金を残せるといえます。
このページでは
・個人再生をするときに退職金を受け取るための手順
・8分の1を清算価値にするための条件について
をご紹介します。
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個人再生をすると退職金の受け取り見込み額が変わる
個人再生とは、現在ある債務を減額するなどして、現実的な支払方法で完済させようとする手段です。
個人再生する人の多くにとって、住宅は大きな財産ですが、住宅ローンの担保になっていることが多いため財産価値はさほど高くない場合もあります。
主に財産として挙げられるものは生命保険や自動車ですが、案外意識されていない財産として退職金が挙げられます。
退職金は退職しない限りもらえないので、個人再生をするとはいえ財産として考えられることに抵抗があるでしょう。ですが、働き続けているともらえることも多いため、会社に対する一種の請求権が形成されていると考えられるのです。
個人再生では、これらの財産がどの程度あるかを考慮し、債務残高のカット額を決定します。
退職金の受け取り見込み額が多いと、財産が多くあると判断されてカット額が変わります。
とはいえ、個人再生をしてからすぐに退職をして退職金を差し出す必要はありません。
また、債権者が会社に押しかけて退職金に担保設定をするようなこともありません。
個人再生をすると家や車は差押えられずに済む可能性があるけど・・・
個人再生をすると退職金をすべて差押えられるといわれることがありますが、これは間違いです。
個人再生は、住宅ローンを除いた借金を圧縮することができます(住宅ローン特則)。住宅ローンは減額されず返済を続けていくことになりますが、住宅を失わずに済むのです。
「圧縮した債務(借金)」より「財産」が多ければ、その財産に相当する額を分割返済していくことになります。その際、退職金は「財産」として計算されることになります。
つまり退職金が多くもらえるほど「財産」が増加しますから、債務カットが少なくなり、その後の返済額が多くなります。
しかし、個人再生の際に考慮されるその金額は退職金の見込み額の全額ではなく、その8分の1です。
退職金制度は、あったとしても将来実際に支払われるかは不確定ともいえます。また、公務員の退職金は減少傾向にあります。
このように、退職金は必ずしも受け取れるか不明のため、8分の1と設定されているようです。
個人再生をしても退職金を8分の7受け取るための具体的な条件や基準
個人再生の際に、退職金の支給見込み額が大きければ、返済しなければいけない金額も大きくなります。
具体的にどれくらいの金額が大きいと評価されてしまうのでしょうか。
まず、個人再生で返済しなければいけない金額を知ることが大切です。
個人再生では借金の額に応じて、返済しなければいけない「最低弁済額」が決められています。
借金額 |
最低弁済額 |
100万円未満
|
全額 |
100万円以上500万円未満 |
100万円 |
500万円以上1500万円未満 |
借金額の1/5 |
1,500万円以上3000万円未満 |
300万円
|
3,000万円以上5,000万円以下 |
借金額の1/10 |
ただし財産の合計額が(精算価値)が借金額を超える場合は、その金額が借金額として算出されます。
このうち退職金は財産の清算価値の算定に影響します。
退職をしていない場合は8分の1が清算価値、もうすぐ退職する予定がある場合は4分の1が清算価値になると決められています。
細かいことは、裁判所によって異なるので、自分の居住している地域の裁判所に相談してみましょう。
無料相談を受け付けている弁護士・司法書士もいるので、一度相談してみるのも一つの方法です。
個人再生の認可決定までは退職金を受け取らないほうがいいの?
個人再生の債務カット額は、債務者が持っている財産の額が重要になります。
財産が多ければ債務カットの額も少なくなりますが、退職金はその受取見込額の8分の1が財産として算定されます。
しかし退職金を受け取ることができる状態、つまり退職が確定するとこれが4分の1になります。
全額が財産と判断されるわけではありませんが、退職金は4分の1以上の差押えが禁止されているためです。
そのため、個人再生の認可決定があったとしても退職の事実があり、退職金をもらえる状態になっていたら退職金の4分の1が財産の額とされてしまいます。
ただし、もらってしまうと「現金」という財産になってしまいます。
個人再生認可決定の時には、毎月の返済額が決まっているでしょうから退職金をもらっても影響はないでしょうが、できれば認可決定がされるまで受け取りを留保したほうが無難です。
【まとめ】個人再生をするときの退職金について
退職金をもらっていなければ、その時点での支払見込額の8分の1、支払いが確定していればその4分の1と決まっていますが、もらってしまったら「現金・預金」となり、財産額に含まれます。
つまり、8分の1や4分の1という「特例」は適用されず、退職金を受け取った後は全て差押えられてしまいます。
個人再生手続きは一種の交渉です。
そのため、法律知識のある弁護士・司法書士に依頼するのも一つの解決方法です。
また、個人再生を行う際は退職金見込額を把握するために、「退職金見込額証明書」を会社から得る必要があります。
いくつか必要な書類や資料もあるので、個人再生をする前に弁護士や司法書士に無料相談するとよいでしょう。
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