「これだけは絶対手元に置いておきたい…少しぐらい財産を隠してもバレないかな?」
自己破産手続きの前後に関わらず、財産を隠したり、不正に処分・隠ぺいすることは絶対にやってはいけません。
財産隠しや不正処分・隠ぺいは、免責取り消しとなったり、詐欺破産罪として罪に問われる場合があります。
今回は、「詐欺破産罪」とはどういう罪なのか、また財産隠しや不正処分・隠ぺいをすることで起こりうるリスクについて詳しく解説していきます。
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2021.12.28 更新
「これだけは絶対手元に置いておきたい…少しぐらい財産を隠してもバレないかな?」
自己破産手続きの前後に関わらず、財産を隠したり、不正に処分・隠ぺいすることは絶対にやってはいけません。
財産隠しや不正処分・隠ぺいは、免責取り消しとなったり、詐欺破産罪として罪に問われる場合があります。
今回は、「詐欺破産罪」とはどういう罪なのか、また財産隠しや不正処分・隠ぺいをすることで起こりうるリスクについて詳しく解説していきます。
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目次
自己破産とは、裁判所から支払不能と認められた債務者に対し、一定以上の財産を失う代わりに借金の支払い義務を免除する救済制度です。
しかし、今後のために少しでも財産を残したいという出来心から、自己破産の手続きを行う際に財産を隠すことを考える人もいるかもしれません。
財産を隠すなどの行為は、以下のような事態に陥りますので、絶対にしないでください。自己破産が許可されなくなる(免責不許可)ばかりか、「詐欺破産罪」として処罰される違反行為です。
詐欺破産罪とは、債権者を害する目的で、財産を不正に処分・隠ぺいしたり、返すつもりのない借金をしたりすることです。破産手続き開始の前後を問わず、これらの行為は詐欺破産罪として処罰されます。
具体的にいうと、借金を1度も返済していない、管財事件を避けるために財産を隠すなどの行為は、詐欺破産罪になる可能性が高いです。
詐欺破産罪が成立した場合、逮捕されて以下の懲罰が科せられます。
※上記の懲役と罰金の両方が科せられる場合もあります。
詐欺破産罪になるケースとしては大きく以下の5つが挙げられます。
意図的に財産を隠ぺいするのはもちろんですが、他人に売却したり、名義を書き換えたりするのも財産隠しにあたります。
また自己破産の費用がないからといって新たに借金をして資金を調達するのも、返済する意思がないとみなされ、詐欺破産罪に問われる可能性があります。
自己破産の費用がすぐには用意できなくてもくれぐれも新規で借り入れをすることだけは避けてください。
財産隠しはどんなに巧妙に行ったとしても、自己破産の手続きの過程で必ず発覚します。
自己破産の手続きでは、一定の財産を持っている人は「管財事件」として扱われ、裁判所から選任された「破産管財人」があなたの財産を調査します。
破産管財人は過去約2年分の預金口座の入出金や、源泉徴収票や課税証明書、そして郵送物に至るまで、厳しくチェックしますので怪しいお金の流れは見抜かれてしまいます。
万が一、その時は免責が許可されたとしても、その後発覚すれば、同じように罪に問われます。
マイナンバー制度の導入により、ますます財産隠しは難しくなりますので、考えないことが賢明です。
うっかり財産の申告が漏れた場合でも、免責許可が下りない場合があります。
申告漏れで免責不許可となれば莫大な借金はそのまま残り、財産だけが債権者から差押えられることになってしまいます。
そこで、免責不許可にならないためにも、自己破産手続き前は以下の2点に特に注意しましょう。
自己破産で処分される「財産」は、20万円を超える財産や99万円を超える現金が対象になります。
自己破産で没収される財産として挙げられるのは以下のとおりです。
ここで挙げたものは無条件で没収されるわけではなく、「現在の価値で20万円以上の価値があるもの」のみです。
家や土地は20万円以下になるケースはほぼないので、ほぼ無条件に没収されてしまいますが、車やバイクについてはグレードの高いものでない限り、必ずしも20万円を超えるケースとはいえません。
つい見逃しがちになるのが「生命保険や学資保険など各種保険」です。
積立型の生命保険や学資保険など、解約払戻金が発生する種類の保険は、20万円を超える場合があり、財産の一部とみなされます。
ただし所有している財産が裁判所から生活再建に必要だと認められれば、保有が認められるケースもあるので、隠さず弁護士に相談することも検討しましょう。
自己破産では、すべての債権者を平等に取り扱わなければならないという原則があります。よって、一部の債権者だけに返済する行為を禁止しています。このような行為を、「偏頗弁済(へんぱべんさい)」ともいいます。
たとえば、貸金業者ではなく親族や友人などから個人的な借り入れをしている相手がいる場合に要注意です。
特に、銀行口座を介した返済の場合、個人名が出てしまうことから、すぐに判明してしまいます。たとえ親族や友人であっても、消費者金融や銀行などの貸金業者と同じ債権者に変わりはないため、偏頗弁済がないよう注意してください。
では、どうしても財産を残したい場合はどうすればいいのでしょうか? この場合は、自己破産以外の手続きを選択しましょう。
債務整理には自己破産のほかに、任意整理や個人再生といった手続きがあります。どちらの手続きも基本的に所有している財産は処分されません。
各債務整理手続きと財産の関係について比較します。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|---|
借金減額幅 |
将来利息カット→月々の返済額が減る |
借金額を大幅に圧縮できる可能性がある |
借金が |
家 |
手放す必要はなし |
住宅ローン特則で手放さずに済む |
手放す必要あり |
車 |
手放す必要はなし |
ローン支払い中のものは手放す必要あり |
20万円以上の価値があるものは手放す必要あり |
預金口座 |
借入している銀行と同じ銀行以外は没収されない |
借入している銀行と同じ銀行以外は没収されない |
20万円以上の残高は没収される |
保険 |
解約の必要なし |
解約返戻金が多額の場合は返済額が増加 |
解約返戻金が20万円以上の場合は解約して返済にあてる |
ただし任意整理や個人再生は、自己破産とは違って返済が前提の手続きであるため、ある程度の収入があることが条件となります。
実際に任意整理や個人再生といった手続きを利用できるかどうかは、ケースバイケースとなっているため、一度専門家に相談することを検討しましょう。
そもそも、自己破産という手続きは、借金で苦しむ人の救済だけでなく、更生といった目的もあるため、財産隠しは重い罪になります。自己破産をするには誠実な態度で臨むことが大切です。
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2018.04.03 公開