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債務整理とは何のこと?その意味について見直そう

2021.08.14 更新

本サイトでは、債務整理に関するいろいろな情報を提供してきました。
しかし、債務整理とはそもそもどういうものか、全体的に理解をしているという人は、まだ少ないのかもしれません。
そこで今回は、復習の意味も兼ねて、債務整理について先生に聞いてみました。

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この記事のポイント

  • 債務整理には、任意整理と特定調停、個人再生、自己破産がある
  • 任意整理では、裁判所を介しないため柔軟な対応が可能
  • 特定調停では、裁判所によって弁護士や認定司法書士(法務大臣に認定された司法書士 以下司法書士)が調停委員として選任される
  • 個人再生では、裁判所に申し立てをして最低基準額(清算価値または借金の1/5【借金額100万円以上~500万円未満までは最低100万円】のいずれか高い方)までを減額し、3年かけて弁済をしていく。住宅ローン特則を使用してマイホームを守れる場合がある
  • 自己破産では裁判所に申し立てをして一定の財産を配当に充て、税金、養育費などの非免責権を除いて借金を帳消しにしてもらう

債務整理について、もう一度整理してみよう

先生にはいろいろと債務整理について聞いていますが、まだ自分は断片的な理解しかできていないような気がします。
そもそも債務整理とはどういうものか、改めて教えてください!

……今まで教えたことを、忘れてしまったわけではないですよね……。

い、いやだな〜。もちろんじゃないですか!

まあ、そういうことにしておきましょう。
債務整理とは、借金を整理するための法的な手続きです。そして、債務整理には大きく4つの種類があることは分かっていますよね。

え〜と、任意整理と自己破産と、……任意整理(汗)。

2つしか答えていませんよ……。 債務整理には、任意整理と特定調停、個人再生、自己破産という4つの手続きがあります。

4つの種類
任意整理 裁判所を介さずに、債権者(貸金業者)との交渉によって借金の返済額や借金の総額を見直す
※裁判所を介さないという意味では「一番軽い」手続き
特定調停 調停委員が仲裁役となり、債権者と債務者が借金の減額や将来の分割払いの条件を話し合う
個人再生 裁判所に申し立てて、最低弁済額を3年で支払うことを条件に債務を大幅に圧縮(清算価値または借金の1/5【借金額100万円以上~500万円未満までは最低100万円】のいずれか高い方5分の1程度、最低100万円)
自己破産 裁判所に支払い不能(破産)を申し立てて、免責を受けることにより借金を免除してもらう(養育費や税金などの一定の非免責権をの除く)
※借金はなくなるが、一定の財産もなくなるという「一番重い」手続き
債務整理の4つの種類

そうでした!
任意整理は、裁判所を利用しない手続きですよね。

そうですね。
任意整理は、裁判所を介さずに債権者と直接交渉をして借金の返済額や返済方法を決め直す方法です。任意整理では、債権者との和解後の将来利息の支払いをカットできることが多いので、借金の返済額が減って、支払いが楽になるというメリットがあります。

なるほど!

過去に利息制限法を超過した取引があった場合には、借金の返済額を大幅に減らすことも可能だし、過払い金が発生していれば、貸金業者に対して過払い金請求ができるケースもあります。
過払い金の請求金額は数十万円~になることもあり、これは大きなメリットと言えるでしょう。

特定調停はどういった手続きなんですか?

特定調停とは、裁判所が選任した調停委員を仲裁役として債権者と話し合い、借金の返済額と返済方法について決め直す手続きです。簡単に言うと、任意整理を裁判所で行うようなイメージです。

それなら、特定調停にはどういったメリットがあるんですか?

先ほど説明したように、特定調停の場合、債権者と直接話し合うのではなく、裁判所により選任された弁護士や司法書士などが調停委員として間に入って話し合います。そのため、弁護士や司法書士に依頼することなく自分一人でもできるので、弁護士や司法書士に依頼する費用を抑えられるというメリットもあります。

特定調停は、裁判所が選任した調停委員が入るのがポイントですね。

個人再生は裁判所に申し立てをして、借金の返済額を最低基準額※まで減額してもらう手続きです。任意整理とは異なり、利息制限法を超過した取引がなくても、借金の返済額を大きく減らせるという点がメリットです。
※清算価値または借金の1/5【借金額100万円以上~500万円未満までは最低100万円】のいずれか高い方

なかなか強力な手続きですね。
そういえば、個人再生では住宅ローンについて特則があったような……。

そうですね。
住宅ローンを支払い中という場合には、マイホームを守りながら、ほかの借金だけ減額することも可能です(住宅資金特別条項・住宅ローン特則)。この特則があることによって、再生計画が認可されれば、かなり多額の借金があっても、返済を続けられるようになります。

自己破産のメリットは、借金がなくなることですよね。

そうですね。それを覚えていたのなら、個人再生があることも答えられたのでは……。
自己破産は、裁判所への申し立てによって免責決定をしてもらうことで、養育費や税金などの一定の非免責債権を除いて借金の返済義務を完全になくしてもらう手続きです。自己破産のメリットは、どれだけ多額の借金があっても、返済義務が完全になくなるという点です。
ただし申し立てをすれば必ず認められるというわけではなく過去7年以内に免責を受けていたり、支払い不能となってから一定の債権者だけに返済(偏波弁済)してしまったり、浪費や、ギャンブル、換金行為、財産隠しなどがあると免責が認められないこともあります。

借金の返済義務が完全になくなるのは、ある意味すごい手続きですね。

自己破産の場合、収入がない人でも利用ができる点もメリットと言えるでしょう。もちろん、借金額が100万円以下などの少額でも支払不能と認められれば免責が受けられる場合もあります。実際、生活保護を受けたい人や生活保護受給中の多くの人が、自己破産を利用しています。

それぞれの債務整理の効果はどうなんでしょうか。

減額できる比率は、任意整理では利息制限法を超過していない場合、元本自体の減額は難しいですね。ただし債権者の合意を得られれば、将来利息の支払いをカットできる場合があります。
特定調停の場合には、将来利息のカットくらいにとどまることが多いです。

なるほど。

個人再生では裁判所の認可が得られれば、元本ごと大きく減額することができます。例えば、1,500万円以下の借金の場合、最大で返済額を5分の1にまで減額することが可能です。(ただし清算価値がこの額を上回る場合はその額となります)
自己破産の場合には、先ほど説明したように、裁判所の免責が得られれば養育費や税金などの一定の非免責権を除いて、借金の返済義務が完全になくなります。
個人再生は借金の総額が5,000万円を超えない範囲という条件があるので、それを超える場合には自己破産するしかありません。また、自己破産は借金額が多額なときだけではなく、少額なときでも利用できるメリットがあります。

それなら、借金問題を解決するとなると、どの手続きを選ぶのがベストなんでしょうか。

どの債務整理が適切なのかは、ケースバイケースですね。その人の借金の金額や住宅ローンの有無、財産や収入の有無などの、個々の事情によって大きく異なってきます。そのあたりの判断は、弁護士や司法書士などの専門家に判断してもらう必要があるでしょう。

ふと思ったんですけど、「債務整理」と「任意整理」って、ややこしいですよね。

まあ、文字にすると似ているような気もしますが……。
債務整理とは、借金を整理するための法的な手続き全般を言います。任意整理とは、先ほど説明したように、債務整理の一種であり、債権者と直接話し合いをして借金の返済額と返済方法を決め直し、和解をする手続きのことです。

任意整理をすると、債権者との和解後の将来利息の支払いをカットできる場合があるんですね
あと、過去に利息制限法を超過した取引があった場合には、借金の返済額を大幅に減らせるし、貸金業者に対して過払い金の請求もできるんですよね。

そうですね。
さらに、裁判所を介在する手続きではありませんので、やむをえない事情があれば、柔軟に対応できる場合もあります。これにより、保証人がいる借金があっても、それを任意整理の対象から外せば保証人に迷惑をかけずにすむし、車のローンがあっても、同様に車を守ることが可能です。
ただし一方は支払いを止め、もう一方は返済するといった行為は後に法的整理に移行した場合に「偏波返済」とされる可能性があるのでくれぐれも注意してください。

そもそも、任意整理は裁判所を介さずに、債権者と直接交渉をする手続きなんですよね。

そうですね。
そのため、手続きが簡便で、利用しやすいというメリットもあります。かかる弁護士・司法書士費用も、ほかの手続きよりも安い場合が多いです。

債務整理ごとの、借金の返済期間を比較してみよう

債務整理をした場合、どれくらいの期間をかけて借金を返済していくことになるんですか。

返済期間は、債務整理の種類によって異なります。
任意整理の場合、返済期間は特に決められていません。債務者の借金額や収入額に応じて、債権者との話し合いによって両者が納得すれば、自由に定めることができます。1年で返済をしてもかまいませんし、5年で返済をしてもかまいません。
ただし、一般に5年を超える返済となると、債権者はあまりいい顔をしません。そのため、通常は3年~5年での返済期間を定めることが多いです。

もし、返済期間の途中で支払えなくなると、どうなるんですか?

任意整理の支払いが途中でできなくなった場合、再び任意整理をして返済方法を決め直す、個人再生や自己破産で解決するといった選択肢があります。一般的に、再び任意整理をするのは難しいので、個人再生や自己破産に移行するケースが多いです。

ほかの債務整理の場合はどうなんですか?

個人再生の場合には、返済期間が法定されています。具体的には、原則として返済期間は3年となっています。ただし、特別な事情を認められるような場合、5年に延ばすことが認められるケースもあります。

個人再生についても、返済期間の途中で支払えなくなると、どうなるんですか?

期間中に返済が難しくなった場合には、再生計画変更の申し立てによって、返済期間を延ばしてもらうことが出来る場合があります。この申し立てが認められれば、最大で2年間の延長(合計で5年間)ができます。

個人再生での支払いが難しいという場合には、どうするんですか?

個人再生後に支払いができなくなった場合、支払い能力がなくなっていると個人再生では解決できないので、自己破産を利用して借金の返済義務をなくしてもらう方法で解決を図ります。実際には、個人再生をした後、自己破産に移行する人は多いですね。

なるほど。 自己破産の場合、そもそも借金の返済義務がなくなるので、返済期間を考える必要はありませんね。

そうですね。 自己破産は、免責が認められれば養育費や税金などの一定の非免責権を除いて、借金を返済する義務がなくなるので返済期間もありません。

債務整理ごとの、手続きの流れを比較してみよう

弁護士や司法書士に債務整理の手続きをお願いするとなると、どういった流れになるんでしょうか。

債務整理の無料相談をメールや電話で申し込んだ場合、まずは予約したとおりにメールや電話で債務整理の相談を受けることになります。 相談が終了した時点で終わることもありますが、債務整理の手続きを具体的に進めたいのなら、弁護士や司法書士に「債務整理の手続きをお願いしたい」という意思を伝えます。このとき、どの債務整理を行うかも含めて依頼をすることになります。

弁護士や司法書士に依頼をした後は、どうなるんですか?

依頼をした後は、委任契約書を作成し、着手金などの支払いをしたら、弁護士や司法書士が具体的に債務整理の手続きを進めます。進め方は、債務整理の種類によって異なります。

具体的には、どういう流れになるんでしょうか。

任意整理の場合は、受任通知を送って債権者から取引履歴を取り寄せ、借金の返済額と返済方法について債権者と交渉をおこないます。そして、最終的に合意に至ったときには和解書を作成します。その期間は3~6カ月ほどです。和解書の作成後、債権者に対して、合意の内容に従って返済を開始します。

特定調停の場合、どういった流れになるんですか。

特定調停の場合、裁判所によって弁護士や司法書士などが調停委員として選任されるため、自分一人でも手続きを行うことは可能です。そのため、今回は詳細については省略しますね。

個人再生の場合は、どういった流れになるんでしょうか。

個人再生の場合は、弁護士・司法書士が債権者に受任通知を送って債権調査票を取り寄せ、必要書類を集めて裁判所に申し立てを行います。そして、裁判所で審理が行われて、再生計画案の提出などを行い、手続きが進行していきます。
問題がなければ、開始決定から6~8カ月後くらいに再生計画案が認可され、手続きが終了します。その後、原則として3年の間、債権者に対して支払いをすることになります。

なるほど。
最後の自己破産は、どういう流れになるんですか

自己破産の場合は、弁護士・司法書士が受任通知を送って債権調査票を取り寄せ、必要書類を集めて裁判所に申し立てを行います。自己破産の手続きには「同時廃止」と「管財事件」の2つがあるのですが、同時廃止ならその後に書面審理で審理が行われ、開始決定から2カ月〜4カ月くらいで免責の決定が降りることになります。

同時廃止 財産がない人のための簡易な手続き
管財事件 一定程度の財産がある人のための複雑な手続き

それなら、管財事件だと少し複雑になるんでしょうか。

管財事件になると、管財人が選任されて、財産の換価手続きが行われます。すべての財産の換価と配当が終わると破産手続きが終結して、免責の判断がなされます。管財事件にかかる期間は6カ月~1年くらいです。 なお、同時廃止でも債務者審尋が行われるケースもありますね。

なるほど

同時廃止でも管財事件でも、免責が得られれば養育費や税金などの一定の非免責債権を除き、すべての借金の返済義務がなくなるので、債権者に対して返済をする必要はなくなります。

今回は、債務整理の復習として勉強になりました!

どの債務整理がベストなのかはケースバイケース。借金の金額、財産や収入の有無などの、個々の事情によって異なります。
そのため、債務整理をしようと考えているなら、まずは弁護士・司法書士に相談してみましょう。
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2017.11.29 公開

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