長い間払い忘れていた借金の督促が突然来ると、「もう時効では?その借金を払う必要ってあるの?」と困惑してしまうかもしれません。
そして、請求書に記された返済額を見て「利息がこんなに膨れ上がっているの?」と驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、払い忘れた借金の請求額が大きく膨らむ理由について詳しく解説します。
借金の時効に関する基礎知識や突然の督促への正しい対処法についてもご説明しますので、最後までお読みください。
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2021.08.14 更新
長い間払い忘れていた借金の督促が突然来ると、「もう時効では?その借金を払う必要ってあるの?」と困惑してしまうかもしれません。
そして、請求書に記された返済額を見て「利息がこんなに膨れ上がっているの?」と驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
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目次
借金をした後、何年も経ってから莫大な額の一括請求や裁判の通知が来ることがあります。そんな場合は、なんらかの理由で「借金の返済を忘れていた」という可能性が高いでしょう。
借金の払い忘れでは、「うっかり払い忘れた」「完済したと勘違いしていた」など、故意でないケースも多いものです。しかしどんな理由であれ、借金の返済が免除されることはありません。
滞納すれば当然ペナルティを課せられます。それが、通常の利息よりも高額な「遅延損害金」です。
遅延損害金とは、借金を滞納したことへのペナルティとして払うお金です。多くの消費者金融やカード会社では、利息の金利よりも高い年利20%程度としています。
一例として元金10万円の借金を1年間延滞した場合につく利息と、遅延損害金を計算してみましょう。
この計算式で利息を消費者金融などの相場である年利15%(0.15)、遅延損害金20%(0.2)と仮定し、1年間滞納したとして計算すると、次のようになります。
利息は返済期日まで発生するもの、遅延損害金は返済期日から実際の返済日まで発生するものなので、二重に取られることはありません。
しかし、借金の未払いが続くとそのぶん遅延損害金が加算され、借金が膨らんでいきます。借金の払い忘れを軽く考えていけない理由は、そこにあります。
ここまでお読みになった方の中には、「借金にも時効があるのでは?」と考えた方もいるでしょう。その通り、借金にも時効が成立する場合があります。それが「消滅時効」です。
「消滅時効」とは、一定の期間が過ぎると返済の義務がなくなる法律上の制度です。
債権者(お金を貸した側)は、債務者(お金を借りた側)に返済を求める権利があります。しかし、一定期間なんの動きもない場合、時効によってその権利が消滅する場合があります。
しかし、消滅時効の成立には、債務者による「時効の援用」の意思表示が必要です。
「時効の援用」とは、債務者が「消滅時効制度を利用します」と意思表示すること。
意思表示は口頭でも有効ですが、証拠となる内容証明郵便を利用するのが一般的です。ただし、一部でも消滅時効を過ぎていない借金がある場合、全額返済免除にはならないので要注意です。
そしてもう一つ注意が必要なのが、「時効の更新」です。
「時効の中断」とは、以下の行為で消滅時効が更新され、時効までの期間がそのその時点からカウントされるという仕組みのことです。「消滅時効を成立させるのは簡単ではない」と覚えておきましょう。
1.承認
債務者自身が時効期間の経過中に借金を返済する意思表示を行うことを「承認」といいます。
1円でも借金を返済する、返済の意思を表明するなどの行為があると、その時点から時効が5年~10年延長されます。
2.請求
「請求」は、債権者が支払い督促の申し立てや裁判を起こす行為のことです。そこで適切に対処しないと時効が中断され、5~10年時効が延長されます。
3.差押え
借金返済請求の裁判での敗訴や担保(住宅など)を設定しているケースでは、時効の中断で財産を差押えられる場合があります。
長期間払い忘れていた借金がある場合、なんの動きもないまま一定期間が過ぎれば消滅時効が成立する場合があります。
しかし、通常は債務者による時効の中断が行われ、借金の返済請求が来る可能性が高いでしょう。
借金の返済請求時に想定されるデメリットには、次のものがあります。
1.返済額が莫大になっている
借金を払い忘れた期間の利息や遅延損害金が加算され、返済額が驚くほど莫大になってしまう恐れがあります。
2.借金の一括返済を求められる
借金の払い忘れが長期に及んだ場合、貸金業者などは長期滞納状態と見なします。
その理由が故意であるどうかを考慮されることはありません。結果、長い間返済を怠ったと見なされて分割返済できなくなり、一括返済を求められる可能性が高くなります。
3.返済が困難になり財産を失う
借金の払い忘れを放置していると債権者に裁判を起こされ、給与などの財産を差押えられてしまう恐れがあります。
4.ブラックリスト入りの状態になる
借金が長期滞納状態になると事故情報が登録されて“ブラックリスト入り”の状態となる可能性が濃厚です。その結果、クレジットカードやローン契約を利用できなくなります。
払い忘れの借金がある場合は、一刻も早く対処する必要があります。まずは、次のことを行ってみましょう。
1.現在の借金状況を正しく把握する
借り入れ先への問い合わせや信用情報機関への開示請求で正確な借金状況がわかります。
2.借り入れ先に分割払いの打診を行う
場合によっては応じてもらえる可能性があります。
3.弁護士や司法書士に相談する
専門家の立場から借金の解決策について有効なアドバイスをもらえます。上記を行った結果、自力での返済が難しいとわかったら債務整理を検討してみましょう。
債務整理は借金問題を弁護士や司法書士に依頼して、借金の減額・免除を実現する法的手続きです。債権者との交渉や裁判所での手続きによって借金の負担を軽減できるのが大きなメリットです。
一方、すべての債務整理に共通するデメリットとして、“ブラックリスト入り”の状態で最低5~10年はクレジットカードやローンを利用できなくなることが挙げられます。他にも、手続きごとにメリット・デメリットがあります。
債務整理の種類は主に3つ。それらのメリット・デメリットについてご説明します。
任意整理借金残高が少ない方や、高い金利の借金がある方に適した債務整理です。
債権者との直接交渉により、将来利息・遅延損害金のカットや過払い金の請求ができます。
借金の減額幅が他の債務整理と比べると小さいなどのデメリットはありますが、周囲に知られずに借金を完済できるのは大きな利点です。
個人再生は裁判所の許可が下りれば、借金を最大5分の1に減らせる手続きです。
ギャンブルや浪費による借金が大きい方や、家や車などの財産を残したい方にメリットがあります。一方、官報に載る、連帯保証人に迷惑がかかるなどのデメリットもあります。
自己破産は裁判所の許可が下りれば、家や車など一定以上の財産を失う代わりに借金の返済を免除してもらう手続きです。
効力が大きいのと引き換えに、自己破産をするにはいくつかの条件もあります。
・裁判所が「この人は借金を抱えすぎていて返済できない」と判断を下すこと
・ギャンブルなどが原因の借金ではないこと
などが条件となります。
任意整理や個人再生と同じデメリットがあることに加えて、約3〜6ヶ月程度の手続き期間中は一部の職業や資格が停止されます。
したがって借金が莫大で返済不可能な場合に検討しましょう。
なお、債務整理については、法律の専門家である弁護士や司法書士に相談すると状況にあった解決方法を提案してくれます。まずは、法テラスや法律事務所の無料相談で相談してみましょう。
借金の払い忘れが長期に及んだ場合、借金が莫大な金額に増えている恐れがあります。
また、なにも動きがなければ消滅時効で返済の義務が消えることもありますが、時効の更新で消滅時効が成立しないことのほうが多いと考えておくべきです。
そのことを踏まえて、借金の払い忘れにはできるだけすぐ対処する必要があります。返済に困ったら弁護士事務所に相談し、1日でも早く借金を完済することをおすすめします。
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2017.11.23 公開