「個人事業の借入金、確定申告の計上方法がわからない」
「個人事業主で借金がある場合、確定申告で節税できる可能性があるのか知りたい」
確定申告には、さまざまな疑問や悩みがつきもの。借金があることで少しでも税金の支払いが控除されるなら助かりますよね。
この記事では、借金があれば確定申告によって節税できるのか、借入金は経費として認められるのかなど、借金がある場合の確定申告についてわかりやすく解説していきます。
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2022.02.03 更新
「個人事業の借入金、確定申告の計上方法がわからない」
「個人事業主で借金がある場合、確定申告で節税できる可能性があるのか知りたい」
確定申告には、さまざまな疑問や悩みがつきもの。借金があることで少しでも税金の支払いが控除されるなら助かりますよね。
この記事では、借金があれば確定申告によって節税できるのか、借入金は経費として認められるのかなど、借金がある場合の確定申告についてわかりやすく解説していきます。
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目次
少しでも税金の支払いを安く抑えるには、何が経費として認められるのかを明確にしていく必要があります。
例えば、消費者金融で借りたお金は確定申告で経費として認めてもらえるのでしょうか?
「住民税」や「固定資産税」など税金にもさまざまな種類がありますが、1年間の所得にかかるものとして所得税があります。そのため、塾の経営やマンション・アパート運営などの個人事業から収入を得ている場合には確定申告が必要です。
確定申告の際、「ローン会社へ借金を返済したという事実があればその返済部分については必要経費にできないの?」と思うかもしれませんが、残念ながら、借金返済は必要経費として認めてもらえません。正しくは、「負債の減額」として処理することになるためご注意ください。
借金返済は必要経費にならないとお伝えしましたが、これは元金の部分についてであり、利息の支払いに限っては必要経費として処理できます。そのため、利息分を確定申告すればその分の所得税の減額が可能です。
借金の利息分が必要経費として認められるのは、個人事業主に限られます。
会社員として給与所得を得ている場合は、一般的な借金返済では減税できません。
もし、「どうしても減税や節税をしなければ生活が苦しい」という状況であれば、借金の元金を減らす根本的な解決が必要です。
もし生活保護を受給している方が就労によって収入を得たのであれば、それが個人事業による収入の場合、確定申告の義務が発生します。企業に所属する場合も申告の義務は発生しますが、企業側で対応していることが多いです。
本来、収入がある場合は生活保護費の支給額が差し引かれますが、仕事中に発生した電車やバスなどの交通費は、申告すれば必要経費として控除を受けられます。
しかし、生活保護受給者は借金返済を必要経費として算入できません。
なぜなら生活保護受給者は、受給している生活保護費で借金を返済することが法律で認められていないからです。
もし借金返済の事実が知られてしまったら、生活保護費の支給がストップする可能性があります。
個人事業主である場合、借入金はどのように取り扱えばいいのでしょうか。続いて、借入金の正しい確定申告の方法について見ていきます。
例えば、毎月2万円の借金を返済しているとしましょう。年間で24万円の返済額となりますが、これは「必要経費」ではなく「負債の減額」として処理します。
なぜなら、借金の返済で支払ったお金は必要経費として認められないからです。
借入金の返済については、下記のように貸借対照表上の負債の欄に計上します。
借方 | 貸方 |
---|---|
現金(5万円) ←資産の増加 |
借入金(5万円) ←負債の増加 |
すでにご説明しているように、借金の元金部分は必要経費となりませんが、利息部分については経費として認められます。そのため、借入金5万円の返済に対して、1,000円の利息が発生した場合は下記のように分けて計上します。
借方 | 貸方 |
---|---|
借入金(5万円) ←負債の減少 支払利息(1,000円)←費用 |
現金(51,000円) ←資産の減少 |
銀行から借り入れを行うと、印紙代や取引手数料が発生します。
また、融資制度を利用すれば信用保証協会へ保証料も支払わなければなりません。そのため、確定申告をする際は下記のように仕分けましょう。
借方 | 貸方 |
---|---|
現金(100,000円) 長期前払費用(5,000円) ←保証料 租税公課(500円) ←印紙代 支払手数料(500円) ←事務手数料 |
借入金(106,000円) |
借り入れを行った年に完済する場合は、全額を「支払手数料」もしくは「支払保証料」として計上します。ただし、長期的な借り入れを予定している場合の保証料は、「前払費用」として計上しましょう。
支払利息の明細が手元になければ、自分で計算をしてみましょう。例えば、事業用のパソコンを購入するために150,000円の借金をしたと仮定します。利息は年利10%、毎月5,000円ずつ返済しているとします。
毎月の返済額から1か月の利息を計算するのは、難しくないのでぜひやってみましょう。
つまり3,750円が元本の返済で、1,250円が利息の支払いであることがわかります。翌月の利息を計算する場合は、借入金から1,250円を減らして(上記の場合150,000円-1,250円=148,750円)計算すれば簡単に求められます。
これを一年分、12回繰り返し、各月の利息の総額を計算します。
ただ借金をしているといっても、住宅ローンや事業資金を目的としている場合は減税できる可能性があります。次に、どのようなものなら減税ができるのかをご紹介します。
さまざまな借金の中でも、住宅ローンは他の借金と取り扱いが異なります。住宅ローンも立派な借金ですが、「住宅ローン減税」という制度の利用が認められています。
住宅ローン減税とは、住宅ローンの借り入れがある場合に一定の条件がそろえば所得税などが減税される制度のことです。住宅購入時に住宅ローンの借り入れがある場合は、住宅ローン減税の制度により減税できます。
債務者が事業をしているか否かによっても、税金の取り扱いは異なります。個人事業主として、事業展開を目的とした借金であれば、減税できることがあります。
ただし、減税を認めてもらうには一定の条件を満たす必要があります。
例えば、事業以外の目的でできた借金では減税ができません。事業展開時の借金の減税はあくまでもその事業に関するものが対象になるため、「事業を離れるとその効果を受けられない」という点には注意しましょう。
個人事業や住宅ローン以外の一般的な借金は、確定申告しても減税できないのでしょうか?
残念ながら現在の法制度では、事業による借り入れと住宅ローン以外でできた借金を減税や節税に活かすことはできません。
確定申告について税理士へ相談すれば、節税についてアドバイスがもらえます。
場合によっては、確定申告を代行してもらえるでしょう。しかし、仮に借金があることで節税・減税効果を受けることができたとしても、それはあくまでわずかなメリットに過ぎません。
むしろ、「借金があるために受けられる節税・減税のメリット」よりも「借金を抱えていることから生じるデメリット」のほうがはるかに大きいです。
第一に考えるべきは、「どうすれば節税できるか」ではなく「根本にある借金問題をどうすれば解決できるか」です。それを踏まえて、借金問題に明るい弁護士への相談も解決方法の一つです。
借金問題について弁護士や司法書士なら、債務整理による借入額の減額や免除、賃金業者に対する督促の停止要求などの手続きを代行している事務所もあります。
借金のある状態での確定申告は、通常の申告と比べて非常に難易度が高く、想像以上に手間がかかります。なぜなら、元金や利息、住宅ローンなどで確定申告時の取り扱いが異なるからです。
確定申告によって減税や節税を検討することも大切ですが、大きな借金問題を抱えている場合は税理士ではなく弁護士や司法書士に相談したほうが根本的な解決につながるケースも多々あります。債務整理による借金問題の対処も、ひとつの選択肢として検討していきましょう。
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2017.11.23 公開